キジバト
昔見た朝焼けは 湿った空の匂い 昔見た夕焼けは 水面にゆらめくひかり 今でも おぼえてる 公園のすべり台 オレンジの熱い頬 ブランコ立ち乗りして 遠くへ飛ばした靴 逆上がりができない 前回りもときどき 鉄棒と同じだけ 瞼の裏熱くなる 遠くに 聞こえる 小学校のチャイム もうごはんの時間だ 砂蹴り上げ駆け出す さよならまたこの場所で 変わらぬ草の匂い あの日と同じように 鳴り響くキジバトの声が 今も聞こえてる